エリザベス1世(エリザベスいっせい)
Elizabeth ・ 1533~1603(在位1558~1603) イングランド,テューダー朝の女王。ヘンリ8世と国王離婚問題の当事者アン・ブーリンとの間に生まれ,異母姉メアリ1世の治世には王位継承権を奪われるなど苦難の日々を送ったが,姉の死後25歳で即位。宗教面においては中道政策をとり,国王至上法,礼拝統一法によってイングランド国教会を確立させ,カトリックとピューリタンの両者には抑圧的な姿勢で臨んだ。国際的な紛争に巻き込まれることに警戒し,スペイン国王フェリペ2世をはじめとする求婚者を拒んで,生涯独身をとおしたが,オランダやフランスのプロテスタントをひそかに援助し,スペイン船への略奪を奨励し,1588年スペイン無敵艦隊の襲来を退けて,イングランドの海外発展の基礎を固めた。内政においては貴族より下の階層の出身者を登用して,折からの困難な社会・経済情勢に多くの立法によって対処し,「楽しいイングランド」と謳歌され,みずからは「神仙女王」とたたえられた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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