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仏像(ぶつぞう)

仏の姿を刻んだ形像のこと。『増一阿含経』(ぞういつあごんきょう)は,釈尊(しゃくそん)の在世当時すでに,仏の不在を嘆いたウダヤナ(優填)王によって仏像がつくられたと伝える。しかし実際には,1世紀頃にヘレニズム文化の影響を受けたガンダーラ地方と,ほぼ同時期に独自に中インドのマトゥラー地方で最初の仏像が出現したと考えられる。そして,一度仏像が刻まれると,礼拝の対象として仏教には欠かせないものとなった。大乗経典には,造像の功徳が大いに讃えられている。仏像には,仏教で信仰の対象とされるすべて,すなわち,(1)釈迦(しゃか),阿弥陀(あみだ),大日(だいにち)などの如来(にょらい)像,(2)観音,文殊(もんじゅ),弥勒(みろく),地蔵などの菩薩(ぼさつ)像,(3)不動,愛染(あいぜん)などの明王(みょうおう)像,(4)帝釈(たいしゃく),弁財などの天部像,(5)十六羅漢(らかん)などの羅漢像,(6)弘法大師や道元(どうげん)禅師などの各宗の祖師,高僧の像などが含まれる。また,彫像と画像の別や,材料とか形状の別,彫り方の違いなどにより細かな分類がある。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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