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ハンガリー

東ヨーロッパの共和国。896年頃に,フィン・ウゴル語系のマジャル人の諸部族が,カルパティア盆地に定住して建国。キリスト教に帰依したイシュトヴァーン1世が1000年にハンガリー王国を建てる。14~15世紀には東ヨーロッパの強国となり,マーチャーシュ王のときにはルネサンスの花を咲かせた。1526年にオスマン帝国軍に敗れた後,国土の中南部は同帝国に,北部・西部はハプスブルク家に支配されるが,1699年には全土がハプスブルク帝国の支配下に入った。18世紀末からハンガリー人の社会的・民族的自覚が始まり,1848~49年の革命と独立運動が挫折したものの,67年にはオーストリアとの二重君主制が成立(アウスグライヒ)。19世紀末から20世紀初めには,資本主義経済が発展し,政治・文化も一種の黄金時代を迎えたが,反面で農村での激しい農民運動や排他的なナショナリズムの高揚がみられた。第一次世界大戦ではドイツ,オーストリア側について参戦,敗戦国となった。1918年に革命で王政が廃されるが,19年のソヴィエト共和国の崩壊後は「国王のいない王国」に戻った。20年のトリアノン条約で国土の3分の2を失い,失地回復をめざしてナチス・ドイツに接近,第二次世界大戦では枢軸国側について敗戦。戦後は共産党の支配下で人民民主主義国の一つとなりソ連圏に入ったが,89年には共産党支配が崩壊して,共和国となった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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