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藩王国(はんおうこく)

Indian (Princely, Native) States 植民地時代のインドで,イギリスが間接支配した地域。イギリスは征服した地域の事情によっては,旧来の支配者を残し,その支配者を通じて間接支配する政策をとった。その際条約を結び,軍事・外交の権限をイギリスに委ねさせ,内政を監視するための弁務官を置くことを認めさせた。シパーヒーの反乱まではイギリス領インドへ併合する政策を進めたが,反乱を契機に保護策に転じた。これ以後藩王国は植民地支配の藩屏となった。ハイダラーバード,カシュミール,トランバンコールのように大規模なものから,数カ村程度にすぎないものまで含めて,総数は600前後に上り,そこにインドの人口の4分の1が住んでいた。1947年のインド・パキスタン分離独立時には,大藩王国の帰属が問題になり,ハイダラーバード,カシュミールのように紛争の種を残した例もある。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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