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反右派闘争(はんうはとうそう)

1957年6月,中国共産党が民主諸党派,知識人に向けて発動した政治運動。49年の中華人民共和国成立後,中国国内ではたび重なる思想改造運動が繰り返され,55年には胡風(こふう)批判運動が全国的規模で実施された。56年になると中国共産党は,前年度の政策とは180度異なる「百花斉放・百家争鳴」政策を提唱し,学術領域での「自由化」政策を実施した。混乱なく社会主義改造を達成した共産党は,知識人からの社会主義建設への協力を緊急に求めたのである。同時に,東欧の社会主義国家の混乱を目撃した毛沢東は,共産党が官僚主義の弊害に陥っている状況を憂慮し始め,翌57年に党外からの政権への自由な批判を求めた。しかし,毛沢東の呼びかけに応えた民主諸党派,知識人の意見は,共産党の存在を疑問視するまでに高まり,その結果,反右派闘争へと政策が転換した。そのとき,罪を問われた人々の名誉回復は,78年以降のことである。現政権は,反右派闘争の誤りは拡大しすぎたことにあるとしている。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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