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バルカン商人(バルカンしょうにん)

17世紀から18世紀にかけて,主としてオスマン帝国とハプスブルク帝国との交易を行ったオスマン帝国支配下のキリスト教徒の商人。この時期,バルカンのキリスト教徒が政治的理由,貧困,疫病,戦争による荒廃などの経済的理由から,オスマン帝国の外へ移住する例が多くみられるようになった。手工業に携わる職人や農民たちに混じって,商業活動に従事する人々が顕著になる。1699年のカルロヴィッツ条約と同時にハプスブルク帝国とオスマン帝国との通商協定が結ばれたことが大きな契機であった。バルカンの特産品であるトウモロコシ,綿花,絹,食用油などとウィーンをはじめとする西欧の諸都市の製品との貿易に従事。ギリシア人のほか正教徒のセルビア人,ブルガリア人,ヴラフもバルカン商人として協力関係を築いた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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