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破仏(はぶつ)

廃仏,排仏ともいう。国の政治的権力者による仏教迫害。北インドのフン族長ミヒラクラやチベットのランダルマ王によって仏教徒は迫害を受けた。中国の「三武一宗(さんぶいっそう)の法難」と呼ばれる,北魏の太武帝,北周の武帝,唐の武宗,後周の世宗による仏教弾圧が名高い。これらは,仏寺の財物浪費,免役の僧尼増加による税収の減少という国家財政上の問題が原因とされるが,前3者の場合,道教と仏教の対立という思想上の問題も関係している。武宗の破仏(会昌の廃仏)の模様は,日本人僧円仁(えんにん)の『入唐求法(にっとうぐほう)巡礼行記』に記録された。明治維新後の日本では,「神仏分離令」によって神道中心政策がとられた結果,各地で廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)運動が起こった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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