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ベトナム

Viet Nam 東南アジア大陸部(インドシナ半島)東岸の国家。首都ハノイ。紅河(こうが)デルタを中心とする北部,チュオンソン山脈,中部高原と南シナ海に挟まれた狭長な中部,メコンデルタを中心とする南部に分かれる。ベトナム人(キン族)の祖先が居住した北部は漢代から中国に支配され,10世紀にようやく自立,1054年から大越(だいえつ)の国号を用いた(中国は安南国として冊封)。東南アジアらしい流動的な国家・社会に,14~15世紀には小中華型の国家体制と国家=民族意識が固まり,中部のチャンパーを圧倒して大規模な南進を実現,17~19世紀には南部をカンボジアから奪った。16~18世紀は南北分裂の時代だったが,1802年に南北を統一した阮(グエン)朝は越南(ベトナム),のち大南の国号を採用した。1859~84年に全土がフランスの植民地とされ,南部(コーチシナ),中部(アンナン),北部(トンキン)の3邦に分けて統治された。1945年ベトナム民主共和国が独立宣言したがフランスとインドシナ戦争となり,フランスの敗北後もジュネーヴ協定により南北に分割された。しかし,北の民主共和国はアメリカが直接派兵(ベトナム戦争)までして支援した南のベトナム共和国を75年に倒し,翌年南北を正式統一して,ベトナム社会主義共和国となった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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