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北京原人(ペキンげんじん)

Sinanthropus pekinensis 北京の南西約50km,周口店の竜骨山から発見された原人化石に与えられた名。今では通常,ジャワ原人などとともに,ホモ・エレクトゥスに分類される。1923年にO.ズダンスキーらにより歯が1本発見され,27年から組織だった発掘が遂行され,37年までに部分頭蓋骨(とうがいこつ)5個を含む多くの原人化石が発見された。これらは形態学者F.ワイデンライヒによって詳細に研究され,精工な模型が残されたが,第二次世界大戦中に実物化石は行方不明になったまま現在に至っている。戦後の周口店における発掘により,若干の追加標本が得られている。年代は約50万~30万年前とされ,原人としては年代が若い。同層準中に厚い灰性の堆積層があるため,原人の火の使用の証拠としてよく言及されるが,自然の作用によるとの説もある。約80万~20万年前の中国の他の遺跡からも北京原人と同様な化石が発見されている。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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