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平和五原則(へいわごげんそく)

five principles of peace 1954年4月に中国とインドの間で合意された国家間の平和共存の原則。中国のチベット地方とインド間の貿易,文化交流に関する協定の前文に示された。領土保全および主権の相互不干渉,相互不侵略,内政不干渉,平等互恵,平和的共存をうたう。冷戦下で中国,インドともにこの原則を広く世界に適用しようとする構想を持ち,同年6月の周恩来とネルーの会談後の共同声明で世界に発表された。翌年インドネシアで行われた第1回アジア・アフリカ会議では,世界平和と協力の推進に関するバンドン十原則(平和十原則)が採択されたが,その採択に大きな影響を与えた。その後62年の中国‐インド間の国境戦争,冷戦構造の深化と非同盟運動の退潮などで理念の影響力は低下したが,中国では80年代から,インドでは冷戦終結後の90年代以降,平和共存の基本原則として再評価されている。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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