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氷河期(ひょうがき)

ice age 地球の軌道要素(公転軌道の離心率,地軸の傾斜角度,歳差運動)の変化によって気候上に寒暖の反復が激しくなった約250万年前頃以後,寒冷期には北半球に氷床が発達し,暖かくなるにともなってそれが後退するという,氷期と間氷期が繰り返されてきた。この進展は更新世(こうしんせい)において,特に100万年前頃以後に激しくなった。伝統的には四大氷期が認識され,アルプス方面では,ギュンツ期,ミンデル期,リス期,ヴュルム期に分けられていたが,現在では海底堆積物の酸素同位体比の変遷にもとづき,100万年前以後,十数回の激しい寒暖の繰り返しがあったと考えられている。氷河期においては,乾燥した極北的気候が今日の温帯域まで及び,高緯度地域ではツンドラ,ステップが発達,黄土の堆積,海水の減少による海岸線の低下,間氷期においては河岸・海岸段丘の形成などが進行した。ホモ属の進化はそうした時代のなかで進んだ。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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