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ガンダーラ美術(ガンダーラびじゅつ)

1~5世紀,ヘレニズム美術の系統をくみつつ,インド文化の影響下で,パキスタン西北部のガンダーラ地方を中心に展開した仏教美術。石彫では1世紀末に仏像が仏伝図として出現し,2世紀前半には単独の仏像が成立していた。仏教美術史上,ブッダの図像を初めて作成,定型化したという点で画期的である。インド,中央アジア,中国の仏教美術に多大な影響を与えた。これらの仏像は,彫りの深い容貌や衣のひだの線など西方風であり,明らかにヘレニズム美術の影響が強い。クシャーン朝の2世紀半ばから同末期にかけてが最盛期であり,3世紀半ば以降しだいに衰退した。5世紀半ばに中央アジアより侵入したエフタルによって都市が破壊されたが,以後はスコッタ(漆喰)彫刻が主となり,7世紀まで続いた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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