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ガレー船(ガレーせん)

galea[イタリア],galley[英] 地中海に特徴的な,櫂(かい)と三角帆を推力とする細長い船。操縦性がよく乗組員が多いので,軍船として発達したが,14世紀初め頃から幅をやや広くしたガレー商船(15世紀のヴェネツィアでは約250t)が登場し,安全性は高いが輸送経費も高く,高価で軽量な商品を輸送した。16世紀には,操縦性のよい三角帆と推力の強い四角帆を組み合わせ,高い舷(げん)側に大砲を並べた帆船が登場したので,その操縦性と防衛力の前に,ガレー船の地位が低下した。古代の地中海にみられたリブルナ船は,三段櫂船のように櫂を上下に配置したが,中世のガレー船は,櫂を上下には配置せず,水平にのみ配置した。漕ぎ手は,自由人だったが,16世紀頃から戦争捕虜や囚人が使用された。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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