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カビール

1398~1448頃あるいは1440~1518頃 インドの宗教改革者。北インド,ヴァーラーナシー(バナーラス)の下層民である,イスラーム教徒の織工として生涯を送りつつ,宗教心を深めた。至高の真実在の表現不可能性,それへの不退転の帰依(バクティ)の実践を主張し,イスラームとヒンドゥー教の苦行,供犠(くぎ),沐浴(もくよく),布施(ふせ),巡礼などを無用なことと否定し,両宗教の対立,カースト差別などを批判した。彼の残した詩の一部が弟子たちによって『ビージャク』としてまとめられた。またシク教の開祖ナーナクが彼から大きな影響を受けたため,シク聖典のなかにも多数収載されている。彼がバラモンの寡婦の子として生まれたという後代の伝説や,バクティ聖者ラーマーナンダに師事したという伝説の真偽は不明である。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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