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カーヌーン

ギリシア語に由来するアラビア語で,イスラーム社会における法的体系の一つ。(1)イスラーム圏に包括された諸地域で行われる慣習法に相当し,この場合アーダと近似の意味となる。(2)イスラームの聖法たるシャリーアや諸地域の慣習法たるアーダと並行して,ムスリム君主が政治運営上の必要から,自己の意志にもとづき制定した法令を意味する。オスマン帝国では,シャリーアはスルタンの意志以上のもので改変できないが,カーヌーンとアーダはウルフ(この場合スルタンの意志)に従属し,ウルフが成文化されたときカーヌーンとなる。(3)カーヌーヌ・エサースィというと憲法の意味となる。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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