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カースト

caste 血縁・姻戚関係を紐帯とするインドに特徴的な社会集団。内婚と共食の単位であり,特定の職業および身分と結びつけられる。社会学的概念として,インド以外の身分制的社会集団にこの語が適用されることもある。カースト間の政治的・経済的な相互依存関係(分業と資源分配を基礎とする)と社会儀礼的な序列関係が結びついた中世インドに特徴的な身分制的社会関係をカースト制度と呼ぶ。カーストはポルトガル語で血統を意味するカスタを語源とするが,インド諸語ではカースト集団をジャーティと呼ぶ。4ヴァルナ(種姓)の概念は前8世紀頃に成立し,4~7世紀には不可触民が付け加えられ5ヴァルナの理念が形成された。実体的な社会集団であるジャーティが成立し,ヴァルナ概念と結びついてカースト制度が形成されたのは10世紀頃からのことである。カースト制度は,基本的には中世地域社会を基盤とする身分秩序であったが,中世後期にはその維持についてある程度国家権力に依存するようになった。19世紀のイギリス植民地支配下においては,カーストを単位とした行政,司法が行われた影響などから,地域社会を超えた広域でのカーストの結集と政治的・社会的活動の活発化がみられた。独立以降,1950年施行のインド憲法により,不可触制は禁止された。また指定カーストおよび指定部族に対する優遇措置をとるべきことが定められた。カーストは歴史的に変遷しながら,現代インドにおいても政治的・社会的に重要な要素をなしている。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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