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原シナイ文字(げんシナイもじ)

Proto-Sinaitic script シナイ半島のトルコ石採掘坑跡サラービート・ル・ハーディムを中心に,石碑や岩壁に刻されているのが発見された文字。「シナイ文字」と呼ばれることもあるが,同じくシナイ半島にのこされた,ナバテア文字からアラビア文字への移行過程を示す書体の文字と区別するため,現在では「原」をつけて呼ぶのがふつうである。エジプトの象形文字と線形アルファベットの中間形態を示し,前2千年紀前半のものと推定されるため,一時はアルファベットの祖型と主張された。しかし同系統で年代的にはさらに古いのではないかと思われる文字(原カナーン文字)が,パレスチナ各地より出土しているため,シナイ半島がアルファベット誕生の地とは認めがたい。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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