ゲーテ

Johann Wolfgang von Goethe 1749~1832 ドイツの詩人。シュトラスブルク遊学時代ヘルダーの影響を受け,郷里フランクフルト・アム・マインで弁護士を開業しつつも詩作にはげみ,『若きヴェルテルの悩み』によって「疾風怒濤(しっぷうどとう)」時代を代表する作家となる。やがてヴァイマル公に招かれ政治にもかかわるが,その間自然科学,特に植物学を研究し,文学でも自由奔放な作品を排し,法則の支配する詩型を持つ作品を高く評価するようになった。イタリア旅行(1786~88年)後,シラーとともに古典主義文学を開花させる。折しもフランス革命からウィーン体制にかけての時期であり,急激な変化を好まなかったところから政治的には保守的な態度をとるが,その文学には時代相がさまざまに反映,生涯の大作『ファウスト』には自由を追究する市民精神が脈うっている。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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