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金本位制(きんほんいせい)

gold standard 中央銀行の発行する基礎貨幣と一定量の金とが等価関係にあって,相互の交換が自由に行われることを保証する通貨制度。外国為替相場を安定させ,また国際収支を自動的に調整する機能を持つ。これを金本位制の自動調節作用という。1816年イギリスが1ポンド金貨の鋳造を始め,世界最初の金本位制をとる国となった。44年には,イングランド銀行が金と交換可能なポンド表示の兌換(だかん)紙幣を発行し,19世紀末にはロンドンを中心とする国際金本位制が確立した。金1オンス(約31グラム)を3ポンド17シリング10ペンス半とする金価格が保持された。第一次世界大戦直前の1914年に一時停止したが,25年にイギリスをはじめ各国で金本位制への復帰が進んだ。しかし,金保有高の増減に合わせた通貨の増発,収縮はもはや行われず,国内経済の均衡を重んじた管理通貨制度がとられるようになった。世界恐慌のもとで,31年イギリスは金本位制から完全に離脱した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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