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ギリシア内戦(ギリシアないせん)

Emfilios Polemos 狭義には冷戦を背景にした1946年9月~49年10月の共産主義勢力の人民軍と反共の政府軍の戦いをさす。広義には,第二次世界大戦の枢軸国による占領期のギリシアで,43年に始まったレジスタンス勢力と対敵協力者,あるいはレジスタンス勢力同士の衝突までを含む。44年10月のギリシア解放後,亡命政府が帰国し対立は複雑かつ先鋭化した。共産主義者中心のレジスタンス最大組織EAM(民族解放戦線)は,解放後クレタ島を除く全ギリシアに勢力を拡大していた。12月にはイギリスの支援する反共勢力とEAMの武力衝突が勃発したが,45年2月のヴァルキザ協定締結で緊張状態は一時緩和された。しかし,EAMの残党ゲリラへの白色テロとその報復が続いた。46年7月に政府軍がゲリラを攻撃すると,9月にゲリラは反撃を開始し,10月に人民軍を創設した。47年のトルーマン・ドクトリンによるアメリカから政府軍への大規模な支援,49年7月のユーゴスラヴィア国境の閉鎖に伴う援助の停止は人民軍に打撃を与え,10月人民軍の敗北で内戦は終結した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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