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キューバ危機(キューバきき)

Cuban Crisis キューバ・ミサイル危機ともいう。1962年10月,ソ連のフルシチョフ首相がキューバに中距離核ミサイル基地の建設を図ったことに端を発する,冷戦史上最大の危機。アメリカによるキューバ侵攻作戦,カストロ政権転覆活動に危機感を強めたフルシチョフのねらいは,キューバの防衛とともに核戦力の均衡におけるソ連の劣勢の挽回にあった。しかし基地の完成前にアメリカが察知。ケネディ大統領はキューバの海上封鎖を発表し,ミサイル基地の撤去を要求した。アメリカの圧倒的な核戦力を前に,フルシチョフはケネディが内密に提示したトルコのアメリカ製中距離ミサイルの撤去を条件に要求を受諾,危機をようやく回避した。フルシチョフが求めたアメリカのキューバ不侵攻の約束は,ミサイル撤去に関する国連査察をカストロが拒否したことを理由に,ケネディは正式に与えることはなかった。キューバ危機をへて両首脳はホットラインの設置,部分的核実験禁止条約(PTBT)に合意し,米ソ「デタント」への歩みを確固たるものにした。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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