キブツ

Kibbutz イスラエルにみられる社会主義的村落共同体。数百人規模で資産や生産手段を共同体が一括管理し,内部では基本的に私財はなく,メンバーに必要なものは共同体によって提供される。パレスチナに移住したロシア系ユダヤ人グループを中心に20世紀初頭から建設され,ユダヤ国家イスラエル建国(1948年)後は,新移民の吸収,農地開発,国境防衛など国家的課題に重要な役割を果たした。近年,資本主義的競争原理と個人主義的傾向の受容が進行し,社会主義的平等原理は薄れつつある。1990年には270ほどのキブツに約12万5000人(国家総人口の2%強)が居住していたが,これをピークに若年層の離村のためキブツ人口は減少傾向にある。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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