魏(ぎ)

Wei ・〔戦国〕前403~前225 晋の家臣の魏氏が,前453年韓,趙(ちょう)両氏と晋を3分して山西省西南部,河南省北部を領有し,前403年諸侯に認められた国。文侯(在位前403~前387)のとき李_(りかい)らの改革で富強を誇ったが,しだいに秦に圧迫され,安邑(あんゆう)から大梁(だいりょう)(開封)に遷都,前225年秦に滅ぼされた。・〔三国〕220~265 中国の三国時代の王朝。後漢末,曹操(そうそう)が献帝を許(河南)に擁して実権を握り,華北を統一し,213年魏公,216年魏王に封じられ,220年曹操の死後子の曹丕(そうひ)(文帝)が献帝に譲位を迫って王朝を建て,洛陽を都とした。次の明帝(めいてい)(叡(えい))のとき一時疎族の曹爽(そうそう)が勢力を伸ばしたが,明帝の死後幼帝芳が即位すると,249年,司馬懿(しばい)がクーデタを起こして権力を握った。その子の司馬師は芳を廃して曹髦(そうぼう)を立て,さらにその弟司馬昭は,司馬氏討伐の兵をあげた曹髦を敗死させて奐(かん)(元帝)を立て,263年蜀(しょく)を滅ぼし,その功によって晋王に封じられた。その子司馬炎に至って,265年奐の禅譲を受けて西晋を建て,魏は5代で滅んだ。曹操の行った屯田制,戸調制,曹丕の始めた九品中正(きゅうひんちゅうせい)の法は,のちの王朝に受け継がれて重要な役割を果たした。魏はまた遼東の公孫氏(こうそんし)や高句麗を討って満洲,朝鮮方面に領域を広げ,倭王卑弥呼を朝貢させた。・〔魏晋南北朝〕北魏東魏西魏 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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