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孤立主義(こりつしゅぎ)

Isolationism 国際問題に関与することなく,非同盟,中立と行動の自由(単独主義)を維持するアメリカ外交の伝統をいう。初代大統領ワシントンの告別演説(1796年),モンロー宣言(1823年)で公式化された。ただし対象はヨーロッパであり,西半球や東アジア,太平洋においてはむしろ干渉的・膨張的であった。第一次世界大戦参戦を契機に,国際主義的な外交への転換を試みたウィルソン大統領の政策は,議会による国際連盟加入の拒否で挫折した。1930年代になると,大不況と国際紛争の多発を背景に孤立主義の高揚があったが,第二次世界大戦への参戦,そして冷戦における世界的規模での反共軍事同盟の構築により,孤立主義は放棄された。だが冷戦の終焉とともに,単独主義的な外交行動が顕在化している。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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