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香辛料(こうしんりょう)

spice 調味料また薬用として飲食物に添えられる胡椒(こしょう)やシナモン,クローブ(丁子(ちょうじ)),ナツメグ,生姜(しょうが),辛子(からし)などの香料の総称。香料はその用途別に,香辛料,焚香料(ふんこうりょう),化粧料に三分される。香辛料の使用法は文化圏により異なり,また歴史的にもさまざまに変化する。それぞれに特産地があり,例えばクローブやナツメグは,18世紀終りまでモルッカ諸島でしか産出しなかった。胡椒は南インドを原産とし,その後東南アジアさらには南アメリカにも栽培が拡大した。これらの香辛料のなかでも胡椒やシナモン,クローブ,ナツメグは,中国や西アジアさらにはヨーロッパにもたらされ,世界史上,遠隔地貿易の花形商品となった。とりわけ14世紀以降のヨーロッパにおける香辛料への需要拡大は,ヨーロッパ人の東方貿易への大きな関心を引き起こし,大航海時代を到来させた。ポルトガルのマラッカ占領,マゼラン艦隊の世界一周,オランダやイギリス,フランスの東インド会社設立を招き,彼らの間の国際商業戦を引き起こすこととなった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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