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黄河文明(こうがぶんめい)

中国文明が黄河流域に発生したとする見方をいう。中国古代の王朝の都は夏,殷(いん),周,秦,漢,北魏,隋,唐と長安,洛陽を中心とした黄河の支流に位置しているので,たしかに黄河流域が先進地域であった。しかし文明とは農業,青銅器,都市,文字などの精神・物質文化の総体をいい,20世紀後半には長江流域にも新石器時代に稲作や城郭都市の遺跡が発見されているので,黄河文明に一元化してしまうことはできない。黄河文明が強調されたのは,文明論的な立場で19世紀後半以来20世紀前半まで中国を探検,発掘をしてきたヨーロッパ人から出された見方である。彼らが調査をしたのはもっぱら黄土地帯に限られ,黄土の豊かさが新石器時代に農耕(アワ),彩陶(さいとう)を生み出したと考えた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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