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公害(こうがい)

環境破壊ともいう。15世紀以来の西洋世界の拡大は,香辛料,森林資源(船材,製鉄用燃料),農地を求めた地球環境問題の始まりであった。その後19世紀に産業革命をへて,高度工業化社会となった先進諸国は,資源・エネルギー大量消費型の生産・生活様式をとり,20世紀の地球温暖化に拍車をかけた。公害はオゾンホール,酸性雨,砂漠化・土壌汚染(ダイオキシン,ゴミ問題),海洋汚染,大気汚染など生活や生命に直結する。1956年のロンドン大スモッグでは,約4000人の死者が出た。農薬問題を警告したR.カーソン『沈黙の春』(62年)や,72年国連人間環境会議は,世界への問題提起となった。石油危機,86年チェルノブイリ原発事故後の,92年国連環境開発会議(地球サミット)では,アジェンダ21など重要議案が採択された。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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