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クリシュナ

ヒンドゥー教の神。元来,北インドの牧畜の民ヤーダヴァ族の英雄神であった。『マハーバーラタ』において,戦いに勝利したパーンダヴァ5王子の友人,軍師として登場する。『バガヴァッド・ギーター』は彼が語った宗教詩。ここにおいて彼は崇高な神バガヴァッドとして登場する。彼をめぐる神話は『マハーバーラタ』の補遺をなす『ハリヴァンシャ』や『バーガヴァタ・プラーナ』において語られる。悪王などとして地上にやってきた魔族たちを成敗するため,ヴィシュヌがクリシュナとして牛飼いの家に生まれたとされる。12世紀の宗教叙事詩『ギータゴーヴィンダ』で牧女ラーダーとの恋物語が描かれ,彼へのバクティ崇拝はさらに広がり,ラーマと並び広く崇拝されている。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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