クチャ
Kucha 庫車 新疆(しんきょう)ウイグル自治区,天山南麓のオアシス都市。漢代から唐宋の頃まで亀茲(きじ)の名で知られ,漢代には西域都護府,唐代には安西都護府が置かれるなど,中国の西域経営の中心基地であった。古くから白(はく)という姓の王家のもとに,西域北道の代表国としてホータンとともに東トルキスタンの文化の中心であった。特に小乗仏教が篤く信仰され,鳩摩羅什(くまらじゅう)もその出身である。唐代以降は,漢人僧侶も多く存在したが,9世紀の中頃ウイグルの進出に伴いトルコ化し,やがてイスラーム化した。18世紀には,清朝の間接支配下に置かれたが,1864年,清朝支配に抗するムスリムの反乱がクチャより起こり,84年には新疆省の成立とともに直轄支配地となった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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