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クシャトリヤ

インドのヴァルナで第2位の王族・戦士階級。後期ヴェーダ時代に軍事と政治の独占を通じて形成された支配層である。古典では,クシャトリヤの使命は布施と祭祀のほか人民の守護に置かれた。ただインドの諸王朝には,バラモン王朝やシュードラ王朝の例も散見される。8世紀頃から土着や外来の諸地方王侯は,みずからのヴァルナ的正統性を主張するため,クシャトリヤやラージプート出身をしばしば自称した。中世の諸王はクシャトリヤとして正統的秩序の確立に努め,これがヒンドゥー文化と地方文化の融合を促進した。イギリス植民地支配下では,600足らずの藩王国が内政権を認められていたが,独立後は消滅した。今日では各地で政治的・経済的に有力な土地所有カーストもクシャトリヤを称することが多い。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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