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楔形文字(くさびがたもじ)

cuneiform scripts シュメール人が考案し,古代オリエント世界に広く普及した文字。象形的な絵文字から出発したが,書記材料が粘土板と葦の尖筆であったため,やがて楔形になった。のちにセム系のアッカド人によって採用され,ついで同系のバビロニア人やアッシリア人に伝わり,さらにアナトリア,シリア,ペルシアの諸民族が自国語を記すのに用いた。セム系諸言語の表記に採用される過程で文字の表音化が進み,音節文字として用いられていたが,ウガリト文字に至って完全なアルファベット文字体系となった。古代ペルシア楔形文字もアルファベット的な機能を有している。しかし,やがてアラム文字とパピルスの普及に押され,前1世紀後半には用いられなくなった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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