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マラーター同盟(マラーターどうめい)

Maratha Confederacy 18世紀から19世紀初頭にかけて,インドで有力だった政治的連合体。マラーターは中世に形成された新しいカーストの名。17世紀後半,シヴァージーはムガル帝国やデカンのイスラーム諸王朝と戦って,マラーター王国を建てた。しかし18世紀初め以降マラーター王権は名目化し,王国の宰相(ペーシュワー)が実権を握るようになった。そして第2代宰相バージー・ラーオ1世はプネーに独自の政権を樹立するに至った。この宰相を頂点に戴いて,半独立的なマラーター諸侯が連合したのがマラーター同盟である。宰相は諸侯の権益を認め,諸侯に忠誠と貢納の義務を負わせた。マラーター同盟は各地に遠征軍を送り,支配地域を北インド一帯から南インドの一部にまで拡大したが,1761年,パーニーパットの戦いでアフガン軍に大敗北を喫し,求心力を失った。これ以降は,バローダのガーイクワード家,ナーグプルのボーンスレー家,インドールのホールカル家,グワーリヤルのシンディア家などが分立する形勢となり,シンディア家が最も有力であった。3次にわたるマラーター戦争でイギリスに敗れ,1818年に滅亡した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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