マムルーク
イスラーム世界で「奴隷軍人」をさす。原義は奴隷一般を意味するが,シリア,エジプトでは13世紀頃から奴隷軍人に特定して用いられる。マムルーク朝においては,スルタンやアミールが購入した少年奴隷は専門の訓練学校で養育され,軍事技術のほかアラビア語やイスラーム諸学を教育された。解放後は政治・軍事集団として主人に仕えて国政に関与し,また地方領主としての性格も兼ね備えた。マムルーク朝の滅亡後も,主としてエジプトでは19世紀初頭に至るまで社会の特権階級をなした。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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