1. 用語
  2. 世界史 -め-
  3. メキシコ

メキシコ

現地音ではメヒコ。16世紀初めまでメソアメリカ諸文明が栄えたが,侵入者のスペイン人に滅ぼされ,1535年以後は,ヌエバ・エスパニャ副王領として治められて,本国にとって重要な銀の供給地となった。18世紀末には,スペインのアメリカ全植民地の人口の約50%を占めて重きをなしたが,1808年ナポレオン軍のスペイン侵入を契機として始まった政治的動揺のうちに,保守派が主導権をとって独立し,22年帝政,24年共和制に移行した。それ以後19世紀後半までは,保守派と自由派の対立が続き,外国の干渉も少なくなかった。1864~67年には,ナポレオン3世に支持されたマクシミリアンの帝政,46~48年には国土の半分以上を失う結果となったアメリカ‐メキシコ戦争が起こった。76年から始まったポルフィリオ・ディアスの独裁は,社会の治安を確保し,積極的な外資導入によって産業の開発を促したが,反面労働者階級の不満や大土地所有制度の矛盾は深化し,1910年に革命が始まった(メキシコ革命)。革命は34~40年のカルデナス大統領の時代までに一定の成果をあげ,制度的革命党の一党独裁体制のもとに第二次世界大戦後産業発展の時代に入った。しかし経済問題や社会的矛盾は解消せず,2000年の大統領選挙では野党が勝利し,長年にわたる一党独裁に終止符が打たれた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう