1. 用語
  2. 世界史 -み-
  3. ミロシェヴィチ

ミロシェヴィチ

1941~2006 ユーゴスラヴィアの政治家。セルビア北東部のポジャレヴァツで,セルビア正教会司祭の家庭に生まれる。1959年にユーゴ共産主義者同盟に入党。ベオグラード大学法学部卒業後,企業長やベオグラード銀行の頭取を務めた。80年にティトー大統領が死去したあと,コソヴォのアルバニア人問題が表面化すると,セルビア人のナショナリズムを利用しつつ,共産主義者同盟内で勢力を拡大し,89年にはセルビア共和国幹部会議長に就任。90年の複数政党制による自由選挙では社会党を支持母体として,共和国大統領に当選。旧ユーゴスラヴィア解体後のユーゴスラヴィアでも,共和国大統領に再選された。97年にはユーゴ大統領に選出された。91年から始まるユーゴスラヴィア紛争の責任者として,99年にはハーグの旧ユーゴスラヴィア国際戦犯法廷から反人道的行為の罪状で起訴された。2000年9月のユーゴ大統領選挙で敗北し,10月の「民衆革命」で政権の座を追われた。01年には不正蓄財と職権乱用の容疑で逮捕。戦犯としてハーグの国際法廷に引き渡され,02年に公判が開始。収監中に病死。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう