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身分(みぶん)

社会体制のなかで,伝統的に固定された,人の占める位置。主として生産手段の所有・非所有によって分ける階級や,職業,性別,年齢などによって分ける階層とに区別される。近代社会が発展するとともに,身分制度は打破されていく。身分制は近代以前の社会のものであり,特に封建社会において著しく,聖職者,貴族,騎士,平民(商人,手工業者,農民など)に分かれており,法律上の待遇が違っていた。近代社会における「法の前の平等」は身分制を打破した。イスラーム社会では,自由人と奴隷の身分に分けるのが基本である。ただ,奴隷の解放が善行として奨励されたから,両者の区別は明確ではあるが,固定的なものではなかった。また,権力や富を有する特権層(ハーッサ)と一般の民衆(アーンマ)とに分ける伝統もあり,特権層内の身分や職種ごとにターバンの色や形が決められていた。中国では貴族制が崩壊した10世紀以降においては,科挙に合格した「士」(士大夫(したいふ))とそれ以外の「庶」(平民)とに良民を分けるのが基本的な概念となった。その意味では中国の身分は個人の資質に左右される開放的・流動的なものだった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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