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念仏(ねんぶつ)

初期仏教では,仏の姿や,その功徳を心に思い浮かべることを意味していた。大乗仏教では,精神を集中した禅定(ぜんじょう)のなかで仏の姿を観ずる観想(かんそう)念仏が初め主流であったが,浄土教が広まると「南無阿弥陀仏」と六字の名号(みょうごう)をとなえる称名(しょうみょう)念仏も盛んに行われるようになった。特に中国念仏宗の大成者とされる善導(ぜんどう)(613~681)は称名念仏の優位を唱え,その流れが日本に伝えられて法然(ほうねん)の浄土宗,親鸞(しんらん)の浄土真宗へと展開した。また,一遍(いっぺん)は,踊りながら念仏をとなえる踊念仏(おどりねんぶつ)を発案し,時宗(じしゅう)を開いた。「念仏宗」とはこれらの総称である。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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