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捻軍(ねんぐん)

Nianjun 捻匪(ねんぴ)ともいう。清末,1853年から68年まで淮北(わいほく)(安徽(あんき),河南,山東,江蘇の各省が境を接する地方)を中心に活動した農民の反乱軍。捻は「組」または「仲間」の意。元来は遊侠の集まりで,19世紀初めから淮北一帯で塩の密売や賭博(とばく),盗賊行為を働いていたが,1840年以後の不況や,あいつぐ災害のため窮乏した農民の参加によって,しだいに組織的な略奪集団に転化していった。特に53年太平天国が長江流域に進出してから,捻軍の勢力は急速に拡大し,55年には張楽行(ちょうがくこう)を盟主として,各地で集団の統合が進み,革命意識も生まれ,なかには太平天国と協同作戦をするものもあった。64年太平天国の滅亡以後も,捻軍の勢力は強大でしばしば清軍を撃破したが,李鴻章(りこうしょう)の率いる淮軍(わいぐん)に討伐された。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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