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ネパール

Nepal インドと中国に挟まれる王国。ヒマラヤに連なる山岳地帯と,北インドから続く南部タライ平原部とからなる。首都はカトマンドゥ。多民族・多カースト国家でヒンドゥー教徒が大半を占める。1767年に現在に続く王朝が確立。1951年に王政復古と政党政治の導入があったが,60年に政党政治は挫折し,国王中心の権威主義的な国家パンチャーヤット体制に移行。90年には民主化運動に押されて民主主義体制に移行し,新憲法が公布された。二院からなる議院内閣制をとる。安全保障面ではインドの影響が強く,独自政策を打ち出すのは困難である。経済の基本は自給的な農業が中心で,内陸国であることもあって最貧国の一つである。数次の5カ年計画では,開発予算の多くは外国からの無償援助と借款に依存している。90年代後半以降,厳しい貧困を背景にして西部の農村地帯を中心に毛沢東主義極左の拠点が広がり,大きな政治問題となっている。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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