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日露戦争(にちろせんそう)

朝鮮,満洲の支配権をめぐる戦争。日本とロシアの対立は,義和団事件に乗ずるロシアの満洲占領によって深刻化し,日英同盟成立を導いた。ロシアでは冒険主義が極東政策を主導するに至った。ロシアが満洲撤兵の約束を履行せず,鴨緑江に進出したのに対し,日本政府は戦争を決意し,1904年2月8日夜,日本軍は旅順のロシア艦隊を攻撃した。10日両国は互いに宣戦布告を行った。8月の遼陽会戦は最初の決戦となり,日本軍の勝利に終わった。10月の沙河(さが)会戦では勝敗は定かでなく,以後冬期の対陣状態に入った。旅順要塞は開戦時より日本軍の攻撃が続けられていたが,ついに05年1月1日陥落した。冬期あけの3月,奉天大会戦で日本軍は勝利を収め,5月はるばる回航してきたバルト海艦隊も日本海海戦で全滅した。ロシアではこの年革命が起こり,日本も戦力,経済力が涸渇して,戦争継続は不可能だった。そこでアメリカの仲介で,8月10日ポーツマスで講和会議が開かれた。会議は難航したが,南樺太(からふと)(南サハリン)の日本への割譲,賠償金なしということで妥協がなった。9月5日調印されたポーツマス条約は,その第1条で,日本が戦争中軍事占領した朝鮮を支配することを認めた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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