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二十一カ条要求(にじゅういっかじょうようきゅう)

第一次世界大戦中,日本が中国に要求あるいは勧告した案件。1914年第一次世界大戦が起こると,日本は対ドイツ宣戦をして山東半島に出兵した。戦局終結後も撤兵せず,また列強が中国問題をかえりみるいとまがなく,袁世凱(えんせいがい)が帝制問題で南方派と争っている機会をとらえて,15年1月,二十一カ条要求を袁に提示した。それは次の五つに大別され,(1)から(4)までは要求,(5)は勧告であった。(1)山東省のドイツ権益の日本への譲渡。(2)関東州の租借期限および南満洲鉄道,安奉(あんぽう)鉄道の権益期限をさらに99年延長すること。南満洲および東部モンゴルにおける日本の独占的地位の承認。(3)漢冶萍公司(かんやひょうコンス)の日華合弁。(4)中国沿岸の海湾島嶼の他国への不割譲,不貸与。(5)中国中央政府への日本人顧問の招聘,要地警察の共同管理,武器購入,鉄道敷設についての勧告。日本は要求提出後,25回の交渉ののち,5月最後通牒を発して中国側についに受諾させ,6月相互に批准交換を終わった。その後中国はあらゆる機会(19年のパリ講和会議,22年のロンドン会議など)に本条約の廃棄,無効を主張し,これは以後の日中間の関係を阻害する原因となった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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