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オリエント

Orient 語源はラテン語「orior(昇る)」から派生した「oriens(東方)」に求められる。元来はローマもしくはイタリア半島からみて東方の地を意味したらしい。時代によりその範囲は一定しないが,おおむね現在では中近東と呼ばれる,西アジアにアフリカ北東部を加えた地域をさす。歴史的には前4世紀のアケメネス朝滅亡までを古代オリエント時代,7世紀のアラブ・ムスリムによる征服以降をイスラーム時代,その間の時代は広義のヘレニズム時代と区分できるが,最後の時代に「オリエント」という語が使われることはあまりない。メソポタミア,エジプトの二大古代文明がこの地に発祥し,その影響下に周辺のシリア・パレスチナ,アナトリア,イランなどにも独自の文明が興った。前8世紀にアッシリアが,ついでアケメネス朝が全域の統一に成功。文明を構成する諸要素のうち,法律,官僚などの政治制度,アルファベット系の文字,ユダヤ教,キリスト教,イスラームの三大宗教など,この地で生まれたものは数知れない。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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