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オランダ

Nederlanden[オランダ],The Netherlands/Holland[英] 正式の国名はネーデルラント王国。オランダという呼び名は,16世紀末に独立した後の政治体制においてホラント州が優位を占めたことに由来する。ネーデルラントの一部を占めたこの地方は,中世において毛織物工業の繁栄を背景にして遠隔地を対象にする中継貿易を担ってヨーロッパの中枢としての地位を固め,スペイン・ハプスブルク家の圧政に抗してオランダ独立戦争を戦って,オランダ連邦共和国として1648年独立を達成。東インド会社によって東南アジアなどに進出,学問・芸術の分野でも黄金時代を迎えたが,17世紀後半以降はイギリス,フランスとの抗争に敗れてしだいに衰退した。1795年フランス軍の侵入によって共和国は解体させられ,バタヴィア共和国が成立。ナポレオンは弟のルイ・ボナパルトを国王に任命してオランダ王国とし,さらにフランスと合併した。1815年ウィーン会議の結果,ベルギーをあわせて王国として復活(のちにベルギーは独立)。1860~70年頃産業革命を達成。第一次世界大戦においては中立を守ったが,第二次世界大戦ではドイツ軍に占領され,主要都市は壊滅的な打撃をこうむった。1609年江戸幕府と通商関係を開き,長崎出島に商館をおいて鎖国下に交渉のあった唯一のヨーロッパの国として,日本とも深いかかわりを持ち,ヨーロッパ文化の伝達にも大きな影響を与えた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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