オットー1世(大帝)(オットーいっせい)
912~973(在位ドイツ国王936~973,神聖ローマ皇帝962~973) ドイツ,ザクセン朝第2代の王。神聖ローマ帝国の初代皇帝。ハインリヒ1世の子で,治世の前半は父の治を継ぐ国家統一事業,後半はイタリア政策に専心した。すなわちまず外敵(主にノルマンとマジャル人)を討つとともに,部族勢力抑圧の楔(くさび)としてその一族や王領伯を配置したが,一族が部族勢力と結んでそむいたことから,代わる統一策として帝国教会政策を採用した。その結果教皇権との結びつきが緊密化し,他方ブルグント王女との結婚によりイタリアとの利害が複雑化したところから,イタリア政策を重視し,第2次ローマ遠征の際教皇ヨハネス12世から帝冠を受けた。ここにドイツ王権はローマ皇帝権と統合して超ドイツ=普遍的なものとなったが,またのちの教皇対皇帝の争いの原因もここに生じた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
この記事が気に入ったらいいね!しよう