ラオス

Laos インドシナ半島中・北部の内陸国。人口の約半数を占めるラオ人をはじめ,数十の民族が居住する多民族国家。ラオ人による国家建設の歴史は14世紀のランサン王国に始まる。18世紀に3分裂したランサン王国の後継王朝はシャムの支配を受けたが,1893年のシャム‐フランス条約によりメコン川以東がフランス領ラオスとなり,99年にフランス領インドシナ連邦を構成する一国とされた。ラオスという領域の呼称はフランス領植民地支配に由来する。1953年,唯一残った王朝ルアンパバーンが代表するラオス王国がフランスからの独立を果たした。57年に親仏王国政府に反対したパテト・ラオ勢力を含む連合政府が成立したが長続きせず,米ソの介入を招いた。62年の三派連合政府も瓦解し,内戦が長期化。ベトナム戦争の激化に伴いパテト・ラオと北ベトナムの関係が緊密となり,75年のベトナム解放後攻勢に出たラオス人民革命党により,同年12月に王制が廃止され,ラオス人民民主共和国が成立した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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