リビア

北アフリカのアラブ国。正式名称はリビア社会主義人民共和国。全人口のうちムスリムが98%。フェニキア,ローマ,ビザンツ帝国などに支配されたのち,7世紀にアラブ・ムスリムに征服された。16世紀にオスマン帝国の支配,トルコ系のカラマンリー朝の建設,19世紀には再びオスマン帝国の直接支配下に置かれた後,それに抵抗するサヌーシー教団の活動が始まった。さらにイタリアに植民地化されると,同派の運動は反帝国主義運動,民族運動の性格を持つようになり,ムフタールの反乱(1911~31年)も起こった。1951年独立,リビア連邦王国が樹立されたが,69年カダフィーによるクーデタが成立し(リビア革命),「大衆による直接民主主義(ジャマーヒリーヤ)」という理論による国家建設が進められた。アラブ民族主義,イスラームの普及に力を入れているが,反面では欧米との摩擦もしばしば生じた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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