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リソルジメント

Risorgimento イタリアの外国支配からの解放と統一をめざした自由主義と民族主義の運動をさす。原義は「再興」「復興」。もともとは17~18世紀の沈滞からイタリア諸地域を復興させる運動を広くさす言葉であり,国家の統一は含意されていなかった。フランス革命とナポレオン支配をへて,王政復古期に外国支配からの解放と統一国家の形成を展望する思想が次々に登場した。その典型的な例が,民衆の主体的行動にもとづく共和主義的な統一国家を形成する構想と,ローマ教皇を中心とする連邦制的な統一国家を形成する構想であった。前者を代表する思想家がマッツィーニであり,彼はみずからの理想を実現するためにたびたび蜂起を計画したが,いずれも成功には至らなかった。後者はジョベルティによって唱えられたが,この構想を実現するのにふさわしい開明的な教皇と期待されていたピウス9世が1848年の革命を契機に統一に強硬に反対する立場に転じたために挫折した。こうした状況のなかで期待を集めたのが,18世紀以来,領土拡張の野心を露わにしていたサルデーニャ王国であった。同国は48~49年の第1次イタリア‐オーストリア戦争の敗北ののち,カヴールの巧みな外交政策によりフランスの支持をとりつけ,59年の第2次イタリア‐オーストリア戦争に勝利して北イタリアの統一に成功した。さらに,60年には住民投票により中部イタリアを併合し,ガリバルディのシチリア遠征を利して南部イタリアを併合した。こうして,リソルジメントはサルデーニャ王国の拡大という形をとって達成された。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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