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ロマン主義(ロマンしゅぎ)

romanticism 19世紀前半から後半にかけてヨーロッパで強まった思想,芸術の傾向。フランス革命が自由と平等の理想を実現できなかったことへの幻滅から,18世紀に支配的であった啓蒙思想に対する批判として始まる。すなわち,啓蒙思想の理性と合理主義に対しては感情と非合理性を強調し,その伝統と歴史の軽視に対してはむしろその擁護を唱え,また普遍主義,世界主義に対しては個性主義,国民主義を標榜した。18世紀のドイツの「疾風怒濤(しっぷうどとう)」に始まり,文学,美術,音楽へと広まったが,ロマン主義者の現実の政治に対する姿勢には,民族の解放を志向するものから反動体制を支持するものまで,広がりがあった。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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