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ロカルノ条約(ロカルノじょうやく)

Locarno イギリス,フランス,ドイツ,イタリア,ベルギー,ポーランド,チェコスロヴァキアの7カ国が,1925年10月16日スイスのロカルノで仮調印した欧州安全保障条約の総称。次の諸条約よりなる。(1)フランス‐ドイツ国境,ドイツ‐ベルギー国境の現状維持と不可侵をフランス,ドイツ,ベルギー3国が約し,イギリス,イタリアが保障に加わったラインラント協定。(2)フランス,ベルギー,チェコスロヴァキア,ポーランドがそれぞれドイツとの間に結んだ四つの仲裁裁判条約。(3)チェコスロヴァキア,ポーランドがそれぞれフランスとの間に結んだ相互援助条約。ロカルノ条約はドイツの国際連盟加入(26年実現)を発効の条件とした。また,連盟規約第16条の制裁規定を各国の地理的・軍事的状況に応じて適用する旨の共同覚書も付されている。条約成立の立役者はイギリスのチェンバレン(オースティン),フランスのブリアン,ドイツのシュトレーゼマンであった。正式調印は同年12月1日ロンドンで行われた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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