ルター

Martin Luther 1483~1546 ドイツの宗教改革者,プロテスタンティズムの始祖。中部ドイツ,テューリンゲンの鉱夫の家に生まれ,エルフルト大学での学業半ばにしてアウグスティヌス会の修道院に入り,救いの確かさを求める良心の苦闘を通じて,新しい福音理解に到達。その信念は1517年秋,彼がヴィッテンベルク大学の神学教授として,贖宥状(しょくゆうじょう)の効力を批判した「九十五カ条の論題」に表明されてたちまち大反響を呼び,19年のライプツィヒ討論ではついに公然と教皇権を否定するに至った。ヴォルムスの国会で皇帝側からの圧迫をも退けた彼は,その後聖書のドイツ語訳を行い,領邦君主や帝国都市による宗教改革を指導したが,ドイツ農民戦争への敵対やツヴィングリとの決裂は,彼の職業観の近代性にもかかわらず,後世の人からしばしば批判されている。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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